村上春樹『遠い太鼓』

村上春樹『遠い太鼓』

村上春樹好き・・・ではないです。
この人の話を読んでいるといつも頭の中がグルグルと回転し始めて、その中心点に巻き込まれていく感じがして、這い上がってくるのにちょっと時間がかかる。

ただですね。
すごぉぉぉぉぉぉぉく、えらく恥ずかしい妄想をぶちまけちゃうのですが、

この人は僕と性格が似てるんとちゃうか?
とたまに思うのですよ(できたら似ていたくないんですが)。

たとえば、地道に下地から自分の行動を意味づけていくところとか、意味のないことは徹底して排除したがるところとか、真空さ加減とか(村上春樹は「バキュームな人」と僕は思う)、非常に中途半端な論理でゴリゴリ話を進めてしまう部分とか。

勝手な想像だし、小説やエッセーから感じることだから、これが客観的事実として正しいかどうかはわからないです。でも僕にとっては「似てるかも」と感じてしまう部分があるからこそ、どうしてだか「呼び寄せられて」読んでしまう。

この本は(も?)非常に暗い本です。ただし、村上春樹が唯一弱音を吐いている文章じゃないか?と思う。とにかく日本にいることが嫌になって、ヨーロッパ、特に南欧に3年滞在したときの記録。本人はかたくなに理由を語りたがらない(これはどのエッセーにも同じ風に書いている)からよほど忘れらない深い傷だったみたい。

だからなのか。
奥さんとの2人で出かけているみたいなのですが、旅の孤独?そんなものがずっと付きまとってる。しかも「日本を出た」という重さが読者に訳もなくのしかかってくる。でも「光がそのうち見える」ことを希望させながら読み進めることができる。とても奇妙な本です。

嫌いじゃないし、何度か読み直したいとも思うけれど、心の底にあるドロッとしたものを見てみたい人のみにお勧めです。一人旅や旅好きな人は面白いと思うかも。

それと、遠い太鼓に耳を澄ますことって、現実の枠組みからじゃ難しいことなのかもなと思う。

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