一言で語りつくす。

まじめな文章を書くときは、「その内容を50文字で要約しなさい」と常に自分に言い聞かせてます。分量が多ければ100字で許してと脳内の小人さんにお願いするのですが、それでも100字が限界。書いている文章がそれ以上は縮められないってことになったら、主題が決まっていない。だから、内容を考え直します。一方で、くだらない主題だったら書かない方がいい。ネタだけ保存しておいて、人に見せないほうが身のためです。

小熊英二『「日本人」の境界』

ちなみに、論文が長いのは、要約できないんじゃなくて、勘違いされないため。僕が出た大学院の修士論文は枚数制限がありませんでした。なので1行だけ書いて提出してもいいのです。でも「それだけで説得しろよ」、とのこと。そんなこと、1000年に一度出てくる天才しかできないので、僕らはいろんなデータを持ち出してウダウダとした説明を重ねて、自分が見つけた1ミクロンくらいの100字でまとまる事実を立証しようとがんばるのです。

「ウダウダ」と書いてしまったけれど、くそ長いのにすんごい面白い論文だって多々あります。僕がお手本にしている「一言で語りつくす」ことと、「それを敷衍する」ことの模範論文は、小熊英二『「日本人」の境界』。この本、小熊センセの博士論文で500ページを軽く越す超大作なんですが、「はじめに」の3行くらいで500ページが要約されてます。内容も好きだけど、こういう文章を書けるようになりたい、と本気で思ってます。

ビーチボーイズ

ところで、自分の書く文章の要約も大切なのですが、本やアルバムを紹介するときには「この作品を50字でまとめると?」と考えてしまいます。長大な物語を、僕色でうまく押さえたらどういう言葉になるんだろう、と。でも、だいたいが、「いつものコトバ」になって、暑苦しいくて、いやになる。

今日は久しぶりに「ガツン」と来たレコメンド。

ペットサウンズ→「駄目人間に捧げる音楽」

!!!!
これはかけない。悔しい。

・・・ということを言いたかった文章なのに、これだけの量の文章を書いてしまう自分が悲しかったりもします。メタロジカル。

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