10日で1冊、20冊目。習慣の力 The Power of Habit

10日で1冊、20冊目。学期末の慌ただしさでちょっとサボってましたが、今日は204日目なのでいい感じ。夏休み中に数を稼いでおきたいなあ。

さて、読んだ本は「習慣の力 The Power of Habit (講談社+α文庫)

習慣の力 The Power of Habit (講談社+α文庫)

とてつもなく面白かった!!!
いまのところ今年一番の本です。

この本を紹介すると、言いたいことは2つのみという単純な内容です。
(1)人間は「きっかけ→ルーチン→報酬」という習慣に従って生きている
(2)習慣は変えることができる

しかし、この「変えられる」ことについて様々な例を470ページも用いて説明してくれます。もちろん「変える」なんて簡単なことではないから。そして変えるのは個人だけではないから。会社も社会も大きな習慣の力で動いていて、それを「変える」にはどうすればよいか実例で説明をしてくれているからです。470ページずっとそんな感じ。

たとえば、
• 脳損傷の人が家に帰ることができるのはなぜか
• 臭さをより強い匂いで消し去る文化に「消臭」というファブリーズな新しい文化を作ることができたのはなぜか
• アルコール依存症はなぜ治るのか、悪い習慣に囚われた起業が新しい風土を持って再生できたのはなぜか
• 問題児がなぜスターバックスの店長になれたのか、ヒット商品が産まれるのはなぜか
• 社会運動が成功したり失敗したりするのはなぜか
• ギャンブル依存症は意志か習慣か
など。

最初に書いたとおり、きっかけをみつけ、問題行動とされるルーチンを新しい行動に変化させ、同等の報酬を得られるようにすれば、行動(習慣)は変えることができる。そのことが基軸なのだけど、この本の面白いところは、単純化できない「ルーチン」そして「報酬」について、気付かなかった視点を与えてくれること。

特に「報酬」の部分が面白い。
ファブリーズがヒットした理由は、実は「消臭」ではない。臭い人は自分が臭いなんて気づいてないから消臭する必要がない。じゃあ、売れた理由はというと、掃除を終えたあとの仕上げのひと吹き、良い香りがそれだった。それがファブリーズを新しい習慣として根付かせたキーポイントだった。

アルコール依存症患者も患者同士のセルフヘルプ・グループに参加することでやめることができるけれど(その説明も面白いのだけど)、人生で大きなストレスに晒されると再び酒に手を出してしまう。その最後の一線を我慢できた人は、「何らかの偉大なる力が自分の人生に加わったと信じている患者」(P.162)だったという。つまり、信じることだったという。それはスポーツでも同様で、優勝がかかった一戦で、普段からパターンを覚え、対戦のルーチンを身体に染み込ませている選手たちが粘り負けしてしまうのは、チームに「信じる力」が足りないから。「誰かが亡くなって、その人のため」に勝ってしまうというのは想像しやすいけれど、それは本当のことらしい。つまり、ルーチンを変えた自分(たち)は変わることができるのだという信念が、自分をほんとうの意味で変えるのだという。他にも組織の習慣において責任者の不在は、変革が全く出来ないなど、当たり前だけど、そうだよなと思わせる話も満載。

社会運動についてもとても勉強になる。ちょっと遠回りになるけど、こんな感じ。

1960年代の研究で、282人の人間が現在の仕事にどうやって就いたのかを調査したところ、こんなことがわかった。

「仕事を得るには、弱くつながっている人のほうが、強いつながりの友人よりも重要な役割を果たすケースが多かった。これは通常ではなかなか知ることができない新しい社会ネットワークへのアクセスが可能になるからだ。(P.376)」

つまり、知り合いに仕事を紹介してもらうより、その知り合いに聞いてもらう方が、よりやりたい仕事にたどり着ける可能性が高い。真面目に働いていると、意外なところからお声掛けがあるのは、まさに50年前の実験で証明されていたのだ。

あれ、これ習慣の話ではなかったっけ?そう思って読み進めると、こうつながる。ちょっと長いけどもうちょっと引用。

「弱いつながりを持っていない人は、社会システムの遠いところの情報を得られず、自分と近いところのニュースや親しい人々の意見しか取り入れることができない。最新の考え方や流行に触れられないというだけではなく、労働市場でも振りな立場に置かれる。仕事をうまく見つけられるかどうかは、適切なタイミングで適切な就職口を知ることにかかっているからだ。また、情報が得られない人間は、政治運動に参加したり、自ら組織したりするのも難しい・・・1つか2つの小さな集団のメンバーなら集めることも可能だろうが、弱いつながりなしには、そこから生じた勢いが、その集団を越えて広がることはない。結果として、大方の人間には影響をあたえることができずに終わる」(P.377)

こういうルーチン(身近な人からの情報摂取)しか持ち得ない人は、同じ考えの報酬しか得ることができない。逆にいえば、強いつながりと弱いつながりの両軸があれ、大きな社会運動へと発展する。おっと、どっかで聞いたことあるぞ!9条バッチをつけている人を「怖い」と敬遠する女子高生がいる限りは、大きな社会運動には決してつながらないぞ・・・と。ちなみに巨大な社会運動へと変えるには、あと1つ、「参加者を追随者ではなく、自発的に動くリーダーに変える」ことが必要となる。(P.406)ひえー!どっかの大変な集団ってこれではないの?!

いやはや、本当に心から面白い本でした。自分が変えられなくて困っていたり、自分たちの活動が多くの人がいれば、ぜひ一読して、ルーチンの変容、新しい行動を獲得できるよう、この本を一読して取り組んでみてください。心苦しくもなりますが、、、

僕もがんばろーっと。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です