自分でできる対人関係療法

水島広子「自分でできる対人関係療法」読了。豊富な事例と、対人関係なのに数学的なわかりやすさでスパーンと解説する「人との付き合い方」の本。

根幹にあるのは、人間関係は三層あるということ。第一層は配偶者・恋人・親・親友などの「重要な他者」、第二層は友人・親戚など、そして第三層は職業上の人間関係など。そして、いつも第一層である自分にとって大切な人を大切にするためにはどうすればよいか?それについていろいろな事例で考えていこうというもの。二層、三層はどうでも良いのか?と言う質問には、第一層が大切にできないからこそ、逆転してしまっているからこそ、不健康なのだと本書では言います。

さらに、コミュニケーション上の課題を次の4つのテーマに絞り込んでいきます。
●大切な人を失った時
●「重要な他者」とのあいだで、期待のズレなどが問題になっているとき
●自分の役割の変化にうまく適応できないとき
●親しい人間関係をつくれない、あるいは維持できないとき

上記4つについて「わからない」とき、何かしらの症状がきつくなるけれど、そういうときもやっぱり「重要な他者」とのコミュニケーションの分析によって状態が良くなっていくそうです。

面白いなと思ったのは、2つ目の「ズレ」について。
コミュニケーションが行き違いのことなんだけれど、その理由を(1)自分の言いたかったことが違う形で伝わってしまった場合、(2)相手の言いたかったことを誤解して不適切な対応をしてしまった場合という2パターンに分類。(2)については、相手の話をよく聞かないでで勝手に理解しちゃって怒るという、よくある話ですよね。そして、そのカバー方法についても書かれていますが、それも「コミュニケーションのズレ」を明らかにすることだったり、それを解決するための選択肢としては、相手の期待を変えるまたはコミュニケーションの方法を変えるなど具体的。あと大切なのは、そのズレを修正する場合、「相手にとって都合の良い時と場所」を選び、相手を追い込まない姿勢も大切という環境にも目を配らせていること。対人関係は、2者関係だからこそ、その「質」だけが問われてしまうけれど、それ以上に「タイミング」って大切ですもんね。謝り方も書いてます。

安易なコミュニケーション指南書ではない点がとても好感でした。
その中で印象的だったのが沈黙について書かれた以下の部分。

対人関係療法のコミュニケーション分析では「沈黙は破壊的な可能性を持っている」とされています。つまり、コミュニケーションの打ち切りを意味するからです。(p.43)

当たり前なんだけれど、「なるほど〜」でした。

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